連結納税制度って何ですか
Q.お早うございます。今日はどんなお話を聞かせて戴けるのですか。
A. 新聞の一面で連結納税制度の導入という記事をご覧になられたことがあるかと思いますが、そのお話です。
Q.また難しそうなお話ですね。で、簡単にいえばどのような制度ですか。
A. 一言でいえば、グループ会社の所得を合計して、親会社一社分だけの申告書を出す制度です。
Q. 子会社が何社あっても一社分ですか。
A. そのとおりです。
但し、子会社の所得計算に必要な資料を添付する必要があります。
Q.でも事務処理は少し簡単になるでしょうね。それでその効果はどこにあるのですか。
A. 仮に親会社とその100%子会社があるとします。
税率は40%とします。
親会社の所得を1億円とすると税額は4千万円、子会社の損失を5千万円とすると税額は0です。
Q.今の法律なら、両社合計で税金を4千万円支払うことになるわけですね。
A. ところが、連結納税制度の選択をするとグループ内の所得を通算できますから、その所得は1億円から5千万円を控除すると5千万円になり、税金は2千万円になります。
その結果、税金は4千万円から2千万円に減ったことになります。
これを損益通算といいます。他にグループ内取引は無いものとして取り扱うというルールもあります。
Q.ずいぶんお得な制度ですが、何か不都合なことがあるのですか。
A. 納税者にとってお得ということは国の損ですから、財務省は財政難の折り柄、色々注文を出しております。
例えば、他の税法上の有利な規定を使えなくするとか、色々財政収入を補う提案をされています。
Qこの制度を適用できるのはどのような法人ですか。
A. 資本金の規模に関係なく適用がありますが、日本に本店を持つ親会社とその100%子会社に限られます。
Q.何時から適用があるのですか。
A. 政治上の日程、法律を作る作業時間も影響するのですが、来年(2003年)4月1日以降開始事業年度からではないかと思われます。
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