財産が十億円ある人の相続税対策
Q. 今日はどのようなお話を聞かせていただけるのですか。
A. 今日は財産が十億円ある人の相続税対策のヒントについてお話します。
Q. 十億円もあれば相続税も高いでしょうね。
A. 今、おじいさんがお金持ちで10億円の財産を持っていると仮定します。
おじいさんには奥さんと子供さんが二人いるとします。さらにお孫さんが二人ずつ合計四人いるとします。
おじいさんが亡くなり、奥さんと子供さん二人が法定相続割合で相続を行うと相続税は約1億6千万円になります。
さらに、奥さんが亡くなった時に子供さん二人に対し、約1億4千万円の相続税がかかりますから、合計約3億円の相続税がかかります。
従って、平均税率は約30%となります。
Q. どうすれば相続税が安くなるのでしょうか。
A. 相続税率は累進税率ですというお話を以前にしましたが、相続人ごとの相続財産が1億円以上の部分につき40%の税率が、2億円以上の部分につき50%の税率が適用されます。
今回のケースですと、お子さんの相続される部分について最高50%の税率が適用されています。
このような場合、生前贈与を行って先に贈与税を支払っても、50%や40%の税率が適用される相続財産を減らした方が全体としての相続・贈与税が少なくなります。
Q. 贈与税はどれくらいかかるのでしょうか。
A. 平成13年から贈与税の基礎控除額が110万円に増額されました。
仮に1千万円を贈与しますと、贈与税額は約260万円になります。5百万円ですと贈与税は約70万円です。
Q. どれくらい贈与すればよいのでしょうか。
A. 子供さん二人に1千万円ずつ贈与すると財産は毎年2千万円ずつ減り、贈与税は二人で520万円、平均税率は26%です。おじいさんの余命を考えて対策をスピードアップする為には、お孫さん4人にも5百万円ずつ贈与することを考えます。
そうしますと、財産は毎年4千万円ずつ減り、贈与税は合計で8百万円、平均税率は20%になります。
この方法を続けて、50%や40%の相続税率が適用される部分をどんどん減額すれば結果的に相続税はその贈与した部分について半分以下になるわけです。
但し、相続直前3年以内の贈与は相続税の対象になります。
Q. でも私は相続税を支払ってもそれだけの財産があるほうが嬉しいわ。
A. お金持ちは相続税以外にもお金持ちの悩みがあって大変なのですよ。
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